試合に強くなるためには



 テニスの試合では、お互いが相手のコートに返球できなかった回数を数えて勝ち負けを決めます。

 すなわち、自分の取得ポイント数とは、相手が自分のコートにボールを返球できなかった数で、相手の取得ポイント数は、自分が相手のコートにボールを返球できなかった数です。

 従って、テニスの試合に強くなりたいのであれば、相手のコートにボールを返球する技術を高めることと、相手が自分のコートに返球しにくいボールを打つ技術を高めることが大切です。

 特に、ナダルのように、相手のコートにボールを返球する技術を高めることは最重要で、これが上達すると、よっぽど凄いボールを正確に打ち続けて、しかもラリーが長く続きプレッシャーを感じる場面でも決してミスをしない世界ランキングトップ3のような相手でない限り、ほとんど負けることは無いでしょう。

 この点は、なにしろ試合に強くなるためには一番大切なところです。

 ”強いボールが打てるようになれば、試合に強くなれる”という考え方は間違ってはいませんが、コーチの球出しのような簡単なボールをいくら強いボールで打つことができるようになっても、相手が少し難しいボールを打ってきたら返球できないというのであれば、当然、試合に勝つことはできません。

 試合に勝てるようになりたかったら、まず、相手の打ってくるさまざまなボールをミスせず返球できるように練習するべきです。

 また、当たり前のことですが、試合に強くなるためには試合経験を積まなくてはいけません。

 ところが、強いボールを打つことばかり考えて練習している選手は、そのボールがコートに入り続けるレベルまで上達するのに相当の時間がかかります。

 従って、相当の期間、試合に出れば1回戦負けを繰り返し、ラリーも続かず、ほとんどがエースかミスかで試合での経験は大変中身の薄いものになってしまいます。

 これでは、作戦を考える意味もなくなってしまいますし、作戦を考える技術も向上しないでしょう。

 それに対して、どんな場面でも返球することを第一に考えて練習している選手は、ボールをコートに入れる技術はどんどん高まり、試合中にもラリーが長く続き、多くの経験をつみ、またミスが少ないので前述のように、相手が相当のレベルで無い限り負けることも少なくなります。

 従って、試合の結果も3回戦進出、4回戦進出と、試合経験はますます豊富になり、勝ち上がる経験も多くなるはずです。

 早い段階でこのように勝つ経験を積むことは、試合についてのモチベーションを高い状態に維持するためにもプラスになりますし、自信もついていきますから精神的にも崩れにくく、安定した戦績を出し続けることにつながっていくと思います。

 そして、相手に簡単にやられない高い守備力を持ったプレーに、攻撃力を手に入れることができれば、ますますレベルが上がり、将来きっと、強いプレーヤーとして活躍することでしょう



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