カウントによる考え方(ノーアドバンテージ・40-40)



 このカウントは、どちらのプレーヤーにとってもゲームポイントです。

 この場面では、メンタルの状態が大きく結果を左右します。

 通常は自分にとって有利と考えて、積極的にポイントを取りにいくプレーを心掛けます。

 もしも弱気になってしまえば、判断や反応は鈍り、更には筋肉の動きも悪くなり、決してベストのプレーはできないでしょう。

 ベストのプレーはベスト(積極的で前向き)な精神状態から生まれるものです。

 しかし、相手のゲームポイントでもあるわけですから、もちろん無理な攻撃や狙いすぎ、打ちすぎなどは禁物です。

 又、中途半端な行動によりミスを犯したり、チャンスで攻めずにゲームを落とした場合、その後のプレーに精神的な悪影響を及ぼす可能性が高いですから、チャンスが来たら不安や迷いを捨て去り(当たり前ですが注意力は捨ててはいけません。)、後々「やることはやった。」と胸を張れるプレーをするべきです。

 ”チャンスが来るまで力のあるボールを自信のある安全なエリアに打ち続け、チャンスが来たら正確に決まるコースへコントロールする。”このような戦い方が理想的です。

 ここでチャンスがくるまで頑張れるためには、”甘く無いボール”を打ち続けられるラリー力が必須です。

 日頃の訓練の質が問われる場面です。

 地力の差が大きく出ます。

 ”練習をする必要性とは、このような基本的なテニスレベルの高さが求められるポイントを確実に取れるようになるため”と言っても、過言では無いでしょう。

 一方、守備ベースのラリーが、そのポイントに至るまでの過程で一番成功する確率が高かったのであれば、そのプレーを選択することも良い決断です。

 しかし、相手も攻撃のチャンスを待っていますから、弱気になってプレーをするとボールが甘くなり、やられてしまうことも少なくありませんので注意が必要です。

 もしも理由があって守備ベースのプレーをするとしても、その守備でポイントを取るといった強い気持ちの下、前向きにプレーをしないとベストパフォーマンスは望めません。

 なにしろ、この1ポイントの勝敗で、このゲームの中で積み重ねてきた3ポイントが生きるか死ぬかが決まってしまいます。

 自分ができることの範囲の中で、最大限の注意力と集中力を発揮してベストなプレーをすることが、このカウントで最も大切なことだと心得てください。

 不注意や中途半端なプレーによってこのポイントを落とし後悔するようなことが無いように、このポイントに入る前に決意を固める時間を取るのもよいことだと思います。


 ここまで、カウントによる考え方について具体的な説明をしてきましたが、記事中で幾度も述べてきたとおり、テニスの試合に勝てるようになるためには、ゲームを取るためにポイントを戦うといった考え方が大切です。

 しかし、いくら知識を身につけ技術力が高まったとしても、安定して勝てるようになるためには質の高い試合経験を多く積むことが不可欠です。

 その中で多くの体験を通し、あらゆる場面に慣れることが大切です。

 色々な場面でどんなプレーをすると成功するのか、相手のタイプによってどんなプレーが適しているのかなどを体感し、掴む事ができれば、ゲーム取得率はおのずと上がり、上達は確実なものになるでしょう。



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