カウントによる考え方(30-0,0-30,0-40,15-40)
・30-0
テニスの試合に限ったことではないと思いますが、通常の試合では、リードをしている時よりも、リードをされている時のほうが（チャンスよりピンチのほうが）集中力や注意力が高まります。
従って、このカウントでは、相手のプレーヤーの集中力と注意力は相当に高まっているはずです。
当たり前のことですが、この場面で自分の集中力と注意力が落ちてしまえば、すぐに相手に挽回されてしまいます。
”勝って兜の緒を締めよ。”の例え通り、リードしていることを意識して気を緩めることなく、次の２ポイントのセットに気持ちを切り替えることが重要です。
カウントに余裕があるからといって気を抜くと、一度途切れた集中力はすぐには戻りませんので、カウントをひっくり返されかねません。
このカウントでは、次の２ポイントのセットのうち１ポイントを取ることができれば、ゲーム取得に大きく前進するわけですから、気を緩めるところではなく、ここが頑張りどころと考えることが大切です。
・0-30,0-40,15-40
大変不利な状況ですが、ひとつ救いがあるとすれば、相手の心に油断が生じる可能性があるということです。
カウントに余裕があるために、無理な攻撃を仕掛けてミスをしてくれるかも知れません。
そこで、この場面で一番避けなければいけない事は、こちらから慌てて攻撃を仕掛け、相手より先にミスをすることです。
甘いボールを打たないように気を付けて、相手に無理をさせる事を目標に、守備ベースでプレーします。
ここでは、一本のミスショットがゲームを落とすことに繋がるわけですから、一球一球に集中して丁寧に、”甘く無いボール”を打ち続けるようにプレーしてください。
もしも、このように考えてプレーをした結果、ポイントを取られてしまっても落ち込む必要はありません。
あなたが甘くないボールをミス無く打ち続けていれば、相手はあなたから簡単にポイントが取れないことに嫌気が差す筈です。
また、相手はそのことに対しプレッシャーを感じることになり、あなたがこのポイントを取れなかったとしても、相手に与える心理的影響は大きく、その先のポイント取得に必ずプラスになります。
この場面では集中が途切れて一発勝負になることが一番の愚行です。
しかし、前回の記事の、カウントによる考え方(40-15,40-30)の後半で示したように、攻撃を仕掛けても成功させられる自信が持てる場面が来たら、積極的な攻撃的なプレーももちろんありです。
あなたがこれらのポイントで効果的な守備のプレーを続けることができれば、場合によっては、相手がミスすることを恐れて攻撃することを諦め、甘いボールを打ってくる可能性もあります。
相手にカウントでリードを許している場面でのプレーは守備ベースが基本なので、もちろん自信がなければ相手の打ってきた甘いボールに対して守備的なボールで返球することも悪くは無いのですが、もしもチャンスが来ればいつでも攻撃に転じるといった行動を相手に示すことは、テニスの試合に勝つために大変大きな効果があります。
もしも、このプレーでポイントを取得することができれば、相手に与える心理的影響は更に増大し、より無理なプレーをし始めるかもしれません。
このような形が作れれば、このポイントでの戦い方は１００点と言えるでしょう。
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