カウントによる考え方(0-0)
前回の、1ポイントの大切さを確率で考えるとの記事で説明したように、テニスの試合に勝つためには、ゲームを取得するという目的のために各ポイントを戦うことが大切です。
そこで、この項以降、具体的なカウントによって、どのように考えて戦えば良いかについて説明したいと思います。
まず、今回の説明は(0-0)です。
ゲームの最初のポイントです。
通常は、このポイントを取ったほうが確実に有利になります。(おそらく皆さんが考えている以上に。)
15ハンデゲームをした経験のある人は、実感があり良くわかると思いますが、同程度の実力ならば、先に15を持っている人のほうが高い確率でゲームを取ることができます。
これは、1ポイントの価値は2ポイント?の記事で説明をしたように、1ポイントのリードを覆すのには、2ポイントの連取が必要になるからです。
同程度の実力と考えれば、2ポイントを連取するということは、そう簡単なことではありません。
もし、この最初のポイントを落としてしまったとして、もしも、続けてもう1ポイントを取られてしまったら30ハンデになるわけですから、ますますゲームを取ることは難しくなってしまいます。
そこで、「このポイントを取った方が確実に有利になる。」と肝に銘じ、集中してプレーをすることが大切です。
しかし、このゲームは始まったばかりで、カウント的に最も余裕があるわけですから、相手に隙があるようならば、思い切った作戦(ダブルスであればポーチなど)にでても良いですし、また、その後のポイントを戦いやすくするための作戦(ポーチを封じるためのストレートリターンなど)を試すのも悪いことではないと思います。
しかしこの場面で思い切った作戦を実行するのであれば、もしもこのポイントを落としたとしても、このポイントでのプレーにより、その後のポイントが取りやすくなるとか、相手がポイントを取りにくくなるなどの意味のあるものであるように心掛けましょう。
もちろん、このポイントを落とさないようにすることが、このゲームを取るために大切なことですから、基本的なこのカウントでの戦い方は、”堅実なプレーを集中して注意深く遂行する”ということになります。
意味のある思い切ったプレーは、対戦相手にプレッシャーを与えますが、ポイントを落としてしまう危険が常につきまといます。
それに対して、堅実なプレーは対戦相手に自分が簡単で不注意なミスをしないプレーヤーであることを印象付けることができ、これも相手にプレッシャーを与えることにつながりますし、なにしろ堅実なプレーは、ポイントを落とす確率を下げることができます。
もちろん、どちらのプレーをしたとしても、ポイントを落とす可能性があることには変わりがないのですが、このカウントでは、決して意味のない落とし方だけはしないように注意するべきですから、余程の思惑が無い限り、堅実で確実なプレーを選択することが賢明な戦い方であると思います。
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