1ポイントの大切さを確率で考えると
前回までの説明で、テニスの試合に勝つためにはポイントを取っているだけでは不十分で、ゲームを取らなければならないことは、すでに理解できていることと思います。
たとえどんなにポイントを取ったとしても、テニスの試合のスコアリングの成り立ちから、そのゲームを落としてしまえば、残念ながらそのポイントは試合のスコアにカウントされることなく無駄になってしまいます。
従って、取得したポイントをゲーム取得につなげてこそ、はじめてポイントを取った意味が生じてくると考えてください。
そこで今回は、ゲームを取るために決して忘れてはいけない重要な項目として、”ポイント取得の確率”について説明したいと思います。
例えば、あなたと対戦相手のテニスレベルの差は僅かなもので、試合をするとポイントをお互いに取り合って、たびたびジュースになる程度の、ほぼ同レベルだとします。
そこで、あなたと対戦相手が試合をし、今回の試合では、各ゲームでのポイントの取得割合が4:6だったとしましょう。
当然これは僅かな差で、各ゲームで1ポイント差と考えられます。
例えば、”ネットインがあって仕方なくポイントを取られた”とか、”ほんの少し厳しいところを狙いすぎて、僅かのアウトをしてしまった”とか、または、”本来ならばミスすることのないような場面で、集中してプレーできず簡単なミスをしてしまった”などのほんの些細なことで、いつでも起こりうることです。
しかし、このようなことがゲームの中で起こり、ポイントの取得割合が4:6になってしまえば、常にそのゲームを対戦相手が取得することになります。
しかも結果は0-6であなたの負けです。
試合終了後に総ポイントの取得確率を計算したら4:6だとしてもです。
もう理解できたと思いますが、例えば、1ゲームの中で10ポイントを戦ったとします。
8ポイント目終了時点では、ジュースです。
そしてその後、相手が連続してポイントを取りました。
当然、このゲームは相手が取ることになります。
これを6回続ければ、ゲームカウントは0-6ですよね。
そして、あなたの総取得ポイントは24ポイントです。
これは、通常ならば6ゲームを取得できるポイント数です。
このように、テニスのカウントの仕方は本当に厳しいものです。
この例のような僅かのポイント差が、結果では大きな差になるように考えられています。
プロ選手の試合では、6-4や6-3などのスコアがほとんどで、ほぼ当たり前に見ることができます。
これは、選手間のレベル差が本当に僅かなことを示しているのです。
ここまで説明をすれば理解できたと思いますが、ゲームを取りたいと思うのであれば、1ポイントといえども簡単に落としてはいけません。
その1ポイントを落とすことで、ポイントの取得確率が5:5から4:6になってしまうかもしれないのです。
ゲームを取得するため、そしてテニスの試合に勝つためには、常に目の前の1ポイントを全力で戦って、後悔をしないように集中してプレーをするようにしなくてはいけません。
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