相手のショットに対応する「スタート/タイミング」
理想のスタートのタイミングは、相手のボールがどこに来るのかが判断できたときです。
判断がついた瞬間にその方向へ動き出すことが大切です。
これは、相手がショットを打つ前に、その相手が打とうとするショットについての判断が可能であれば、その段階でスタートをしても良いということです。
予測の能力が高まれば、状況によってはそのようなことがたびたび起こりうるものです。
しかし、多くの場面では、相手がショットを打つ前にスタートすることは困難で、相手がショットを打つのを待ってスタートをすることになります。
もしもここで、スタートのタイミングが遅れてしまえば、その場面においての理想的なスタート位置を守り、良いスタートのフォームを身に着けていたとしても相手のショットに追いつかず、守備を失敗してしまう可能性があります。
そこで今回は、以下にスタートのタイミングについて注意をするべき点について説明をしたいと思います。
スタートのタイミングを早め、守備力を高めるために相手のショットの予測と判断が大切だということはこれまでの説明で理解されていると思います。
しかし、予測と判断が早く行われても、実際の動き出しが遅れてしまえば十分なポジションへ移動することは困難になってしまいます。
そこで、実際の動き出しを俊敏にするためには、相手の打球時に合わせスプリットステップを行うことが大切になります。
前回に説明をしたスタートのフォームについては、このスプリットステップの着地時でのことです。
しかし、ただ単にスプリットステップをすれば良いというわけではありません。
スプリットステップの際、その着地のタイミングについて十分に気をつけることができないと、効果は半減してしまいます。
通常、スタートをするためのスプリットステップは、筋反射のメカニズムを用いて、静止時からの動きに対し、より速い動き出しを可能にするために行われます。
この着地のタイミングが速すぎると、一度動きが止まってしまい筋反射がおこりません。
スプリットステップをする意味がなくなってしまいます。
また、タイミングが遅すぎると、ボールのコースが判断できているのに、スプリットステップの動作(着地)が終了しておらず空中にいることになりますからスタートが切れないということになってしまいます。
そこで、最も理想的な着地のタイミングは、相手のラケットにボールが当たる前にジャンプをするための動作に入り、当たった直後(当たると同時のつもりで良い)には着地するということになります。
また、スプリットステップは筋反射を使った、スタートのためのフットワークですから、スプリットステップで動きが終わるのではなく、スプリットステップで動きが始まるということを常に意識してください。
着地とともに動き出すことが大切です。
この点は特に重要です。
また、着地の際に膝が緩んでしまうと速いスタートはできません。
着地では”グニャ”ではなく、”タン”といったイメージです。
そして、相手がボールを打つタイミングは、常に変化させてくるということに注意をはらうことが大切です。
相手が攻撃をしかけてくるときには、あなたの打ったボールがバウンドした直後をライジングで打ってくるかも知れませんし、もう一歩前に出て、ドライブボレーなどで対応してくるかもしれません。
このような場合にのんびりと構えていると、スプリットステップのタイミングが遅れてしまい、結局守備を失敗してしまうといったことになりかねません。
常に相手の打球のタイミングに気を払い、相手の打球のタイミングにぴったりと合ったスプリットステップを取れるように訓練を積んでください。
ここまで説明したてきた、スタートの「位置」についてそれぞれの状況下で最適にすることができ、スタートの「フォーム」を理想的なものにして、スタートの「タイミング」が正確にとれるようになれば、守備力は劇的に向上するでしょう。
これにより0.1秒速く目的地につくことが出来れば、3m分の余裕が生まれるのですから。
次回は相手のショットに対するフットワーク「打つためのフットワーク」についての説明をしたいと思います。
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