相手のショットを予測する「自分のショットに対する相手の位置取り」



 テニスの試合の中で、相手のショットを予測するタイミングは3回あります。

 この中で一番早い段階で行われる予測は、自分がショットを打つ(選択する)前です。

 この段階での予測は、”ここにこういうボールでショットを打ったら、おそらくここにこんなボールを打って来るのではないか”というようなものです。

 その予測の結果は、ここに打つと自分が不利になるとか、有利になれそうとかの判断を可能にし、その場面で最も有効なショットを選択するために役立てることができます。

 そして、次のタイミングは自分がそのショットを打った直後です。

 通常は、ショットを打った直後の感触で、そのボールが狙い通りに行ったのかそうでないかが判断できると思います。

 そのボールが狙い通りのものであれば、ここで予測をし直す必要は無いと思います。

 しかし、場合によっては、狙い通りのボールが行かないこともあるでしょう。

 そのようなことであれば、自分が打ったそのショットがどこにどのようなボールとなって到達するのかを判断し、それに対する相手のショットを予測し直す必要があります。

 これらのの二つの予測は、前回までに説明をした下記の項目を基になされることになります。

  ・相手がコートのどこから打ってくるか。

  ・自分がコートのどこにいるか。

  ・相手のコースや球種に対する得意不得意

  ・相手の配球のくせ

  ・セオリー

 そして、予測を行なう最後のタイミングは、相手がショットを打つ直前です。

 予測をするためのデータは多いほうがより良い結果を導ける可能性が高まります。

 それまでの予測をより確実なものにするため、また場合によっては変更するために行ないます。

 そこで今回からは、相手がショットを打つ直前のタイミングで、相手が打って来るショットを予測することについて説明をしたいと思います。

 まず、今回は、”自分のショットに対する相手の位置取り”のデータを使って相手のショットを予測することについてです。

 残念ながらこのデータは、相手に時間的、および技術的に余裕があるときにはあまり当てにならないデータです。

 なぜかといえば、相手のショットに対してどこへでも打つことができる位置取りというものが存在します。

 当然のことですが、相手に簡単に自分のショットを予測されてしまうようでは、試合に勝つことは難しくなりますから、どのようなショットを打つのかを隠すことは非常に重要な技術です。

 そこで、”ボールに対する位置取り”によって相手にショットの予測をされないように、これについては選手であれば何度も繰り返し練習をしているものです。

 その結果、多くの選手がある程度自分のショットを隠すことができるようになっています。

 しかし、相手に余裕がないときには、考慮するべきデータといって良いでしょう。

 また、基本的には余裕がなくなればなくなるほど、信頼できるデータになるのですが、相手の予測を欺くために、敢て余裕のない振りをしてみたり、ある特定のコースに打ちそうな位置取りを相手に見せてみたりといった行動がとられやすいのもこのデータの特徴です。

 従って、予測のためにある程度は活用しますが、完全には信用しないことが大切です。

 しかし、試合開始後、しばらくの間相手を観察し、ほぼ間違いなくこのデータによって相手のショットが予測できたのであれば、大切なポイントを除いては信頼しても良いかも知れません。

 なぜ、大切なポイントを除いてなのかといえば、前述のとおり、この”ショットに対する位置取り”は相手を欺くために利用されることが多いので、場合によっては、相手が大切なポイントを取得するために、敢て判りやすい位置取りを見せて、布石を置いているということかも知れないからです。

 以下に具体的な予測方法についての説明を示したいと思います。

 これは、相手のフォームによっても多少の違いがあり、一概に言い切れない部分もありますから一般論として捉えて下さい。

 まず、打つコースによっての基本的な打点の位置の違いについてですが、順クロス系が横方向に関しては最も体軸に近く、前後の位置としては体軸に対し最も前方になります。

 そして、この打点の位置はストレート方向、逆クロス方向という順番で横方向に遠ざかり、前後についてはこの順番で後方になって行きます。

 また、言い方を変えると、順クロス系のショットは、打点を前方にしてボールの外側を打つためにボールの外側へ位置をとり、逆クロス系のショットはボールの内側を打つためにボールの内側に入り込むように位置取りをし、ストレート系のショットはボールの真後ろを打つために、その中間の位置取りになると言うことができます。

 従って、この横方向の位置取りを観察することで、およその相手のショットが予測できるということです。

 これについては、フォームよりもタッチでコントロールをしてくる選手に対しては大変予測し辛いですが、まじめに正確な位置取りをし、フォームの乱れが少ないタイプの選手は予測しやすいと思います。

 しかし、この打点でなければ、それぞれの方向に打てないということではありません。

 例えば、やっと追いつくような遠くて難しいボールが来た際は、通常であれば、打点が体軸から離れるためにストレートか逆クロス方向へ打つことになりますが、プロ選手などは、そういった場面で上手くラケット面をコントロールして、順クロス方向へ打つこともしばしばです。

 前述したとおり、相手のレベルが高い場合には、敢えて予測の裏をついてこようと仕掛けてきている可能性もあります。

 こういった場合、このデータを鵜呑みにすることは非常に危険ですから、他のデータについての補足情報程度に考えていたほうが良いかも知れません。

 従って、相手がショットを隠そうとしているような場合では、今後説明するデータについても十分に考慮して、細心の注意を持って予測をすることが大切です。

 次回は”相手のラケットのセット場所”のデータから相手のショットを予測することについて説明したいと思います。



テニス上達のヒント | ホーム | サイトマップ(記事一覧)

マキシマムテニススクール | ダイエットを運動で成功させる方法
Copyright(C)2007 Maximum Sports Mind K.K. All Rights Reserved.