やり方を正しく理解する
テニス技術の上達のための”訓練”を始める前に気をつけなくてはいけないことは、”やり方を正しく理解する”ということです。
この段階で間違えた理解をしていると、間違ったやり方を身に付けることになってしまいます。
また、「どういう状況で、どうしたいのか。」という目的があって、はじめてそれに応じたやり方が決まってくるわけですから、何のための訓練なのかを正しく理解できていなければ、その訓練自体が意味のないものになってしまう可能性もあります。
当然、無目的にラケットをスイングしていても、上達することはできません。
当たり前のことですが、目的のない技術は存在しないのです。
そして、ただ単にコーチの言うとおりにフォームを作ることが正しい理解だとは言いません。
また、テニス雑誌のプロ選手の分解写真をそっくりにコピーできたとしても、正しい理解をしているとは言えません。
なぜならば、テニスコートの上では、二度と同じボールは来ないといわれるほど、様々な状況でショットを打たなくてはいけませんから、応用の利かないフォームや考えは、テニスの試合にとってあまりにも意味のないものなのです。
例えば、プロ選手の分解写真とまったく同じフォームをコピーできたとしましょう。
もしも、完全にその写真が撮られた状況と同一な場面でそのフォームによってショットを打つのであれば、それは理想的なものかもしれません。
しかし、打点の高さが違うとか、相手のボールの回転が違うなど、少しでも状況が違うのであれば、そのフォームは間違いである可能性があるということです。
従って、正しい理解をするためには、「なぜそのようなやり方をするべきなのか。」「どのような考え方からそのようなやり方にいたったのか。」というような考えの筋道、その道理、その際の基礎になる状況、背景にある考えなどを、深く掘り下げる必要があるわけです。
それらを理解したうえで、コーチの説明、アドバイスを聞くことができれば、状況の変化に対応できる、試合に使える”やり方”を身に付けることができます。
必然的に正しい理解の下、正しく効果的な訓練を積み重ねることができ、このような訓練は必ずテニスの上達につながっていくはずです。
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