作戦の具体例(応用編)



 作戦の具体例(基本編)の記事で例に挙げた作戦は大変単純な形ですから、場合によっては相手に見透かされてしまう可能性もあります。

 例えば、あなたがテニスの試合中、作戦の具体例(基本編)の記事の例と同様に、ファーストサーブを相手のバックハンドに集めているとします。

 そこで、あなたが40-30のゲームポイントを握りました。

 ここで相手が試合経験の豊富な選手だとしたら、40-30のゲームポイントを握られてしまったことによって、「ここまでずっとバックハンドへサーブを打たれているから、ここはゲームを取るためにフォアハンドへファーストサーブを打ってくるかもしれない。」と予測している可能性があります。

 これではフォアハンドに打ったファーストサーブはエースにならないかも知れません。

 しかし、相手は、「もう一度バックハンドに打って来るかもしれない。」ということも同時に考えなくてはいけませんから、それにより、相手は迷って反応や動きが悪くなり、良いファーストサーブがフォアハンドに入ることによってミスをしてくれるかもしれません。

 この場面では相手に予測されている可能性もありますが、試してみる価値は充分にあります。

 そして、今回は、更にこの作戦を進めて考えて見ます。

 例えば、あなたはこれまでファーストサーブを打った後はベースラインにステイしていたとしましょう。

 上記の状況で、相手のフォアハンドにファーストサーブを打ちました。

 相手は前述のように予測をしていて、 「予想的中!」と喜んで返球してきました。

 しかし、あなたはサーブアンドボレーをするためにネットへダッシュしていました。

 相手はあなたがベースラインにステイしているものと思い、深いところを狙って浮かしたリターンを打ってきています。

 あなたは浮いたボールに対して、難なく攻撃的なボレーを成功させました。

 結果、ゲームを取りました。

 以上のように、言葉は悪いですが、”ワナ”を2重3重にもしかけていくことが、大切なポイントを取るための(強い選手の)作戦の立て方、ゲームを取るための工夫なのです。

 そして、そのために、敢えて、相手のバックハンドにしつこくファーストサーブを打ち続けるといった布石を置いたり、ここぞというときのためにサーブアンドボレーを隠しておいたりという作戦もよく使われます。

 いたるところにこのような作戦をちりばめて、ゲームを取るために、ポイントを戦う。

 テニスの試合に強くなるためには、そのような考え方が大切です。



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